
男性同性愛者を表す「ゲイ」という言葉。概念は知っているものの、「オネエ」や「ホモ」、「バイ」といった言葉との違いが実はよくわからないという方は、少なくないのではないでしょうか。
さらに歴史的に差別されてきたゲイは、社会運動を通して少しずつ差別解消を進め、権利を取り戻してきました。
この記事ではゲイに関する基礎知識から、日本における社会運動の概要、またゲイに関してよく抱かれる疑問やおすすめの映画・書籍についてまで、ゲイの当事者でもある筆者が丁寧に解説します。
目次
ゲイとは?簡単に解説
ゲイ(gay)とは、男性に対して恋愛感情を抱き、性的にも惹かれる男性のことをさす言葉です。
ゲイはLGBT(セクシャルマイノリティ)の中では比較的割合が多く、マンガやドラマの題材にされることも多いセクシャリティのため、具体的な「ゲイ像」を抱いている人も多いのではないでしょうか。
しかし、「ホモ」や「トランスジェンダー」との違いわからない方も多いと思います。
ゲイはあくまでも一つのセクシャリティ(性的指向)であり、性格や身なり、得意なことなどは人それぞれであるという点は、覚えておきましょう。
LGBTについて
ゲイについて解説する前に、まずはLGBTについて最低限知っておきたいことを確認しましょう。
そもそも「LGBT」とは、以下4つのセクシャリティの頭文字をとってうまれた言葉です。
この4つのセクシャリティ以外にも、マイノリティであるセクシャリティは多くありますが、「LGBT」がセクシャルマイノリティを表す言葉として、一般的によく使われています。
ほかに「LGBTQ」「LGBTQIA」などもよく見かける表現ですが、これらの表記は、LGBTに加えてさらに多様な性のあり方を含む拡張された総称として使われています。
また、近年では「LGBTQ+」や「SOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)」といった表現も広まり、性の多様性を尊重する文脈で使われています。
参考: LGBTQ+ 用語集
ゲイ診断
長い間、異性愛が「正常」とされてきましたが、近年、社会はLGBTの多様性を受け入れるようになっています。今では、セクシュアリティに対する理解が広がり、より多くの人々が自分自身を表現できるようになっています。
もしあなたが自分の性的指向に迷いがあるなら、ぜひ一度ネットなどのゲイ診断でチェックしてみてください。自分がどのような性に引かれるのかを知ることは、自己理解の一歩となります。
ただし、安易なものではなく性的指向のテスト(LGBT)や公的な機関が開発したものなどを利用するようにしましょう。
ゲイバーは誰でも楽しめる?
ゲイバーには、男性同性愛者向けに営業している店や、男女を問わず楽しめる「ミックスバー」など、様々なタイプがあります。
一部の店舗では、性別や性の多様性を配慮した入店ルールを設けており、異性愛者やLGBTQ+ではない人を対象外とする場合もあるため、事前に店舗のルールや雰囲気を確認してから入店することをおすすめします。
ゲイに関連する言葉の違い
オネエ、ホモ、バイ、トランスジェンダー、、、。なんとなく聞いたことがあるけど、明確に違いを説明するのは難しいような、ゲイと関連する言葉を取り上げ、解説します。
ホモとの違い
「ホモ」は、同性愛を意味する「ホモセクシャル(homosexual)」の略語から派生した言葉ですが、日本語では特に男性同性愛者(ゲイ)を指す場合が多く、女性同性愛者(レズビアン)を含めて使うことは一般的ではありません。
「ホモ」は長年にわたり、バラエティ番組やメディア、ネットスラングの中で、ゲイ男性を差別や嘲笑の対象として用いる表現として使われてきた経緯があります。
そのため、多くのLGBTQ+当事者や支援団体では、「ホモ」を差別的・侮辱的な表現として扱い、公共の場や解説文では避けるべき言葉と位置づけています。
ただし、ゲイ同士のコミュニティ内では、一部で自嘲や親しみを込めて使われることもあり、「ホモ」を自分から使う場合は文脈や当事者間の関係性によって意味が変わるという側面もあります。
それでも、当事者以外の人が使い手になる場合や、解説記事・ニュースなど不特定多数が読む媒体では、誤解や不快感を招きやすいため、「ゲイ」「レズビアン」などの表現を優先し、積極的に「ホモ」という呼称を使うことは推奨されていません。
参考: 「minerva-clinic」:日本語の「ホモ」は差別的な意味合いを含むとされ、LGBTQ+ コミュニティ内でも使用は慎重にという点を解説
バイとの違い
バイは「バイセクシャル」の略で、男性・女性の両方を好きになるセクシャリティです。本人の性自認は問いません。日本語で「両性愛者」と表すこともできます。ゲイが男性を好きになるのに対し、バイセクシャルの男性は男性と女性の両方を好きになる点に違いがあります。
なおバイセクシャルと混同されやすいセクシャリティがいくつかありますので、気になる方は以下の記事も読んでみてくださいね。
→バイセクシュアル(バイセクシャル)とは?悩みや診断方法、パンセクシャルとの違いも
トランスジェンダーとの違い
「トランスジェンダー」は、身体的な性別と自認している性別が異なる人を指すセクシャリティです。具体的には、「男性の身体で生まれたが、自身の性別は女性であると認識している人」と「女性の身体で生まれたが、自身の性別は男性であると認識している人」です。
「ゲイ」は性的指向(恋愛・性愛対象)に着目したセクシャリティであるのに対し、「トランスジェンダー」は性自認を表すセクシャリティである点に大きな違いがあります。ゲイの人々は、自身のことを男性として自認し、男性のことを好きと感じます。
ちなみに「トランスジェンダー男性のゲイ」、つまり身体的には女性として生まれ、自身の性自認は男性であり、かつ男性を好きになる人もいます。性自認と性的指向は別々のものですから、おかしいことではありません。
なお、身体の性と性自認が一致しないトランスジェンダーに対して、身体的性別と性自認が一致する人のことはシスジェンダーといいます。
ほかに、性自認が男性・女性のどちらにも当てはまらないXジェンダーやクエスチョニングというセクシャリティもあります。
オネエとの違い
一昔前、「オネエタレント」が一世を風靡した時代もあったように、「オネエ」は多くの日本人にとってなじみのある言葉であると思います。「オネエ」は、女性らしい*服装や仕草を好む男性のことを指します。
以前は、女性らしい身なりや仕草を好むゲイのことを「オネエ」とよぶことが主流でしたが、最近ではゲイというセクシャリティに限らず、女性らしい身なり・仕草を好む男性のことをさすことが増えてきています。
ちなみにゲイの人々の中で、オネエである人の割合が多いというわけではありません。ゲイ=オネエではないこと、また使われる文脈によっては「オネエ」は差別用語になってしまうこともあるということは抑えておきましょう。
*社会規範的に「女性らしい」と認識されている女性らしさのこと
ゲイの反対の言葉
「ゲイの反対は何?」という質問には、複数の答えがあります。
女性を好きになる男性(男性異性愛者)…ヘテロセクシャルの男性
男性を好きになる女性(女性異性愛者)…ヘテロセクシャルの女性
女性を好きになる女性(女性同性愛者)…レズビアン
もっともセクシャリティについて考える時は、「○○の反対は?」「AでなければB」のような二項対立で考えるのではなく、より多角的な視点から考えることが望ましいのです。
ゲイを題材にした映画や書籍・漫画
ゲイを題材にした映画や、ゲイについて学べる書籍も増えてきています。ここでは、筆者のおすすめを4作品ご紹介します。
映画「エゴイスト」
2023年2月に公開された映画「エゴイスト」は、公開初週の動員ランキングでトップ10に入るなど注目されています。
主人公は俳優の鈴木亮平さんが、主人公の恋人役は同じく俳優の宮沢氷魚さんが演じたことでも話題になりました。二人の恋愛模様を描きながら、ゲイを取り巻く様々な社会課題にも触れられています。
作品内では主人公の友人役として、多くのゲイ当事者も出演。専門家による監修も行うなど、「興行作品が社会に与える影響」をしっかりと考えて作品作りがされていることも、おすすめできる理由の一つです。
映画「Marry My Dead Body」
原題は「関於我和鬼変成家人的那件事」。訳すと「僕とおばけが家族になった件について」となるこの作品は、エゴイストと同じく2023年2月に公開された、台湾の映画です。
台湾には、死んでしまった人が生きている人と疑似的に結婚する「冥婚」という古い風習があります。この作品は若くして死んでしまったゲイが、ストレート男性と「冥婚」するという作品です。
現地では、作品内で頻出する「不敢相信(ありえない)!」という言葉が流行語になるほど人気を博しています。
ゲイを題材にラブコメディ作品を制作し、それが受け入れられるのは、アジアで唯一同性婚が法制化されている、LGBTの人権先進国ならではとも言えます。日本で公開された際は、ぜひ見てみてくださいね。
書籍「LGBTを読みとく-クィア・スタディーズ入門」
ゲイを含むセクシャルマイノリティについて、より幅広く深い知識を学びたい方におすすめなのが、森山 至貴氏による書籍「LGBTを読みとく-クィア・スタディーズ入門」です。
副題にある「クィア・スタディーズ」はまだ一般的と言えるほど知られていない言葉かもしれません。
このクィア・スタディーズは、簡単に言えばセクシャルマイノリティを研究対象とした学問のことです。
LGBTについて「何となく」しか知らない方にはもちろん、これからこの分野を深く学んでいきたい方にも最初の1冊としておすすめです。
書籍「ゲイだけど質問ある?」
より気軽にゲイについて知りたい方には、「ゲイだけど質問ある?」という書籍がおすすめです。著者の鈴掛真さんは、短歌を詠む「歌人」として活動しています。
「同性愛者は『生産性』がないの?」「生まれ変わってもゲイになりたい?」「同性愛って趣味なんでしょ?」など…多くの人が思う素朴な疑問に、鈴掛さんが優しい口調で答えます。
中には鈴掛さんの本業である「短歌」も収録されており、読み物として楽しめる書籍です。
漫画「うちの息子はたぶんゲイ」 1~3巻 おくら / スクウェア・エニックス
この作品は、ゲイであるかもしれない息子を見守る母親の心温まる視点を描いたほのぼの漫画です。恋愛話をする際に「彼氏ができたら〜」とつぶやいたり、机に男性が表紙の写真集を置きっぱなしにしていることに焦ったりする息子と、彼を見守る母親のやり取りが描かれています。
日常的なやり取りを通じて、息子のセクシュアリティに対する母親の優しさや戸惑いが感じられ、どこか温かな気持ちにさせてくれる作品です。
浩希の思春期にありがちな行動、例えば「気になる同級生からのメールに一喜一憂する」「家族共有のPCでエッチなキーワードを検索してしまう」といったシーンには、読者も共感できるでしょう。
また、親友のダイゴへの秘めた恋心に対する感情も描かれ、純粋な青春の成長を感じられます。
物語が進むにつれて、「うちの息子はたぶんゲイ」というテーマにとどまらず、母親目線で息子の恋愛事情を見守る楽しさや、浩希の成長を心温まる目線で描き続けていきます。
これが「令和のLGBTマンガ」として非常に共感を呼び、応援したくなる作品です。物語に登場するキャラクターも増え、ますます魅力的な展開を見せています。
ゲイの社会運動の歴史
近代以降の歴史を見ると、ゲイは他のセクシャルマイノリティと同じように、長い間差別される存在でした。
現在も差別が完全に解消された状況ではありませんが、同性婚の法制化が進む国や、日本では同性パートナーシップ証明制度を導入する自治体の拡大が進んでいます。
2023年以降、日本では「LGBT理解増進法」が施行され、LGBTQ+への差別を明確に否定し、社会全体の理解促進を目的とした取り組みが本格化しています。
これにより、ゲイやLGBTQ+の社会運動は、法整備や企業の配慮、自治体の取り組みを含む社会システムの変革を求める方向へ発展しています。
そこでここでは、日本におけるゲイの社会運動の歴史を簡単に見ていきましょう。
[関連記事]: 同性婚とは?日本で反対されていたり認められない理由は?世界の現状とメリット・デメリットを紹介参考: LGBT理解増進法(2023年6月施行)の概要と、LGBTQ+差別解消のための政策提言を紹介
日本におけるゲイの社会運動のはじまり
1950年代にはゲイの当事者たちによる団体が設立されましたが、解放を志向していたわけではありませんでした。1970年代になると、ゲイの解放を志していくつかの団体が設立されます。
特に1979年に設立された「ジャパンゲイセンター」は、機関紙を文化人やマスコミに送ることにより、啓発活動を行うなど精力的な活動を進めていました。
その中で1985年、日本で一人目のエイズ患者が発見され、「エイズパニック」とも呼ばれる状況が起こります。当時の社会は、この未知の病であるエイズとゲイを結び付け、ゲイを忌み嫌う雰囲気が蔓延していたそうです。
1985年に発足した「動くゲイとレズビアンの会(通称:アカー)」は、当時まだ未知の病であったエイズに立ち向かい、同性愛者の問題を「人権課題」として取り上げた団体です。この「アカー」と1984年に発足した「IGA日本」が、この時代のゲイの権利回復を大きく推し進めた存在と言えます。
90年代、転機が訪れる
1990年、ゲイの社会運動の転換点ともいえる事件が起きました。「府中青年の家事件」です。先述の団体「アカー」が「東京都府中青年の家」を使用した際、他の団体から差別と抗議を受けました。
その結果、アカーが運営者である東京都から今後の利用を拒否されたという出来事です。
7年以上にわたる裁判ののち、東京高裁は運営者である東京都の「同性愛という性的指向が秩序を乱す原因になる」という訴えを退け、ゲイ・レズビアン団体の勝訴となりました。
この事件は報道でも大きく取り上げられ、ゲイをはじめとしたセクシャルマイノリティがメディアに登場することもありました。
そのため少なくない非セクシャルマイノリティが、セクシャルマイノリティの存在をリアルに感じるきっかけになったとも言われています。
「プライドパレード」の始まり
今日、LGBT社会運動と聞いてまず「プライドパレード」を思い浮かべる人は多いのではないでしょうか。世界的には、1969年6月の「ストーンウォール・レボルト」(ストーンウォールの反乱)が、LGBTQ+の社会運動の始まりとして知られています。1970年には、ニューヨークで最初のプライドパレードが開催され、その後全世界に広がってきました。
日本では、1994年に東京で行われた「第1回レズビアン&ゲイパレード」がその始まりです。第1回のパレードは、開始時点では100人程度だった参加者が、最終的には約1,000人まで増えていたという逸話が残っています。
東京のパレードはその後何度かの中断を挟みましたが、2023年以降、東京レインボープライドの規模はさらに拡大しています。2023年には、パレード・フェスティバル併せて約10万人以上が参加したと報告されています。「また、東京のほかにも全国各地で大小さまざまな規模のプライドイベントが開催されています。
プライドパレードの目的は、セクシャル・マイノリティの存在を可視化すると同時に、LGBTQ+の権利と尊重を訴え、社会全体の理解を促進することです。第1回から現在に至るまで、多くの賛同者たちがこの思いを胸にイベントの運営にあたっています。
社会運動はパレードだけではない
ゲイやLGBTQ+の社会運動は、プライドパレードのような祝祭的なイベントだけにとどまらず、教育・医療・福祉・企業・行政など、社会の幅広い分野で行われています。
2023年に施行された「LGBT理解増進法」をはじめとする法整備や、自治体のパートナーシップ制度拡充を背景に、LGBTQ+への差別をなくすための政策提言や、企業の研修・ポリシー導入、学校の人権教育といった活動が進んでいます。
たとえば、LGBT法連合会などの団体は、LGBT差別禁止法や同性婚の法制化を求める提言や裁判を進め、社会の制度面から変化を促しています。
一方で、Tokyo Pride 2025では過去最高の約27万3千人が来場し、パレードには約1万5,000人が参加するなど、プライドパレード自体も規模を拡大し、社会の認知度向上に大きく寄与しています。
こうした動きを通じて、LGBTQ+の社会運動は、祝祭だけでなく、法整備や企業・教育現場など、社会全体の構造を変える取り組みへと広がっていると言えます。
ゲイに関するよくある疑問
では続いて、ゲイに関するよくある疑問を取り上げ、それに答えます。
生きづらさを感じる場面は?
徐々にセクシャルマイノリティへの理解が進み、また社会全体がより多様なものを受け入れるように変革している今日、ゲイが生きづらさを感じることも少しずつ少なくなってきています。生きづらさを感じたことがないゲイも増えてきています。
一方で、現在も生きづらさを感じるシーンは多くあります。以下はその一例です。
- 同性婚が出来ないため、パートナーが入院した際の面会や手術同意、死別した際の相続、外国製パートナーが配偶者ビザを取得できないなどの不便がある
- 理解が進んでいるとはいえ、会社などでカミングアウトすると、腫れ物に触れるような扱いをされることがある
- パートナーと同棲する際、ゲイであることを理由に賃貸を断られることがある
- カミングアウトをしない場合、家族や友人との会話の中で嘘をつく必要がある
- 社会が異性愛を規範としているため、自分が阻害されているような気持ちになる
- 「ゲイだから女性の気持ちが分かる」「ゲイだから、クリエイティブな思考ができる」など、ステレオタイプ的な見方をされる
- LGBTへの理解が進む一方で、一部ではいわゆる「意識高い系」の話題として認識されてしまうことがある
- 「ゲイ」という言葉が、性的なイメージのある言葉として捉えられてしまうことがある
ゲイカップルは子供を育てられるの?
同性婚が法制化されている国や、日本でも同性パートナーシップ制度を導入する自治体では、ゲイカップルが里子や養子、生殖補助医療などを通じて子どもを育てるケースが増加しています。
「同性カップルに育てられる子供はかわいそう」という声があがることもありますが、最新の研究により、この様な考えに科学的根拠がないことが分かっています。
中国とアメリカの研究チームは2023年、「セクシャルマイノリティのカップルに育てられた子どもは、異性カップルの子どもと比べて発達や幸福感に大きな差がない」という研究結果を発表しました。
一方で、日本ではまだ子どもを育てるゲイカップルは非常に少ないのが現実です。
同性婚が認められていないために、子どもが戸籍上二人の父親を持つことができないことや、国内で代理母出産が認められていないこと、また同性カップルで子育てをするモデルケースが少ないことなどが理由として考えられます。
ここで日本人とスウェーデン人のカップルで、現在はスウェーデンで一人のお子さんと暮らすYoutuber「ふたりぱぱ」を紹介します。ゲイカップルの子育ての日常を、楽しみながら知ることができますよ。
自分の子どもがゲイだったらどうすればいい?
ご自分のお子さんがゲイであることをカミングアウトしてきた場合、どうすればいいか戸惑ってしまう親御さんは少なくありません。カミングアウトがなくても、なんとなく「ゲイなのではないか…」と思っている方もいるかもしれません。
子育てには正解はありませんし、これまでの親子の関係性もありますから、「こうすればいい」という100%正しい答えもありません。
ただ大切なことは、「無理に理解する必要はない」「ありのままの子どもを受け入れる」「ゲイであることは不幸なことではない」ということです。
異性愛者の方が、同性愛者の気持ちを「理解」するのは簡単なことではありませんし、努力して理解できるようになるものでもありません。
ですから無理に「理解」する必要はなく、ありのままのお子さんの存在を受け入れることが重要です。
さらに中には、「ゲイに産んで/育ててしまって申し訳ない」と思ってしまう親御さんもいらっしゃるようです。しかしゲイは生き方の一つであり、不幸などではありません。
このような考えは親御さんがつらいだけでなく、お子さんの自己肯定感も下げてしまう可能性があります。
ゲイを公表している有名人は?
ゲイを公表して活動している有名人は多くいます。ここでは一部をご紹介します。
- ロバート・キャンベル(日本文学者・タレント)
- マツコ・デラックス(女装家・タレント)
- 石川大我(参議院議員)
- 三ツ矢雄二(俳優・声優)
- 橋口亮輔(映画監督)
- マット・ボマー(アメリカ・俳優)
- トーマス・デーリー(イギリス・飛び込み選手・東京五輪金メダリスト)
- ティム・クック(アメリカ・Apple社CEO)
- 與真司郎(ダンサー・歌手)
なお、セクシャリティは自分自身が決めるものであり、それを公表するかしないかも本人の自由です。また「男性と交際している男性」がゲイとも限りません。
著名人であろうと、自らのセクシャリティとそれを公表するかどうかを自分自身で決める権利があります。よって、噂などをもとに「あの人はゲイ」と決めつけるのは好ましくありません。
ゲイのコミュニティは?
ゲイの当事者同士がつながるためのコミュニティは多くあり、規模や目的もさまざまです。各地にあるNPOなどの支援団体が、当事者同士が交流するための場を提供・開催しています。
またスポーツや音楽などのサークルも、ゲイやセクシャルマイノリティの人々が集まっているグループが多くあります。
さらにゆるい集まりとして、SNSやマッチングアプリ、バーなどをきっかけに知り合い、気の合う人たちが小グループで飲み会や旅行に行くというようなコミュニティもよく見られます。
ゲイならではの悩みも当事者同士だと分かり合いやすく、精神的に解放されるという人も少なくないのです。
ゲイの気持ちに寄り添うには?
ゲイの気持ちに寄り添うには、まず相手の話をよく聞くことが大切です。無理に話を引き出すのではなく、安心して話せる環境を提供しましょう。また、偏見をなくすためにLGBTQ+の歴史や課題について学ぶことが重要です。
理解しきれないことがあっても、共感し、相手の感情を尊重する姿勢を持ち続けましょう。さらに、サポートを表明し、実際に支援を示すことが信頼を生むことにつながります。
最も大切なのは、性別や性的指向を問わず、相手の違いを尊重することです。このように、理解と共感をもって寄り添うことが、真のサポートになります。
女性のゲイというのは存在しない?
ゲイは「性自認が男性で、男性に恋愛・性的魅力を感じる人」を指します。一般的に日本では「男性同性愛者」の意味で使われ、女性同性愛者は「レズビアン」と呼ばれます。
トランスジェンダーのゲイについては、性自認が男性(身体的性別が女性の場合を含む)で、男性を恋愛対象とする人のことです。
例えば「身体的性が女性だが性自認が男性」というトランスジェンダー男性が男性を好きな場合、彼はゲイとして認識されます。
重要なのは、ゲイの多様性を理解することです。シスジェンダー(身体的性と性自認が一致)のゲイもいれば、トランスジェンダーのゲイも存在し、さらに「シャイニーゲイ」(外見は一般的な男性らしいゲイ)など多様なあり方があります。
ゲイとSDGs目標5「ジェンダー平等を実現しよう」との関係
最後に、ゲイとSDGsの関係について解説します。
SDGsの17の目標のうちゲイと最も関連のあるのは目標5「ジェンダー平等を実現しよう」です。
ただしSDGsはこの目標5も含めて、セクシャルマイノリティに関する記述はありません。これは、SDGsが国連加盟国の中にはセクシャルマイノリティの権利確保に否定的なスタンスをとる国もあることが理由です。
そのため目標5では、主に女性や少女といった社会的弱者の権利拡大がうたわれています。
とはいえ、SDGs全体の理念として「誰ひとり取り残さない」というキーワードがあります。ゲイも含めて、セクシャルマイノリティの人もそうでない人も、全ての人々の平等を実現することが、目標5達成の鍵と言えます。
【関連記事】SDGs5 「ジェンダー平等を実現しよう」の現状と問題点|企業の取り組みを解説
まとめ
この記事では、ゲイについての基本的な解説から、社会運動の流れ、よくある疑問、そしておすすめの書籍や映画もご紹介しました。ゲイバーに関心がある人向けにゲイバーの簡単な解説もしています。
ゲイをはじめセクシャルマイノリティの人は、あなたの周りにも必ずいます。より多様性のある社会を目指すため、様々なマイノリティの人について知識をアップデートすることは大切です。ぜひこの記事で得た知識を周りの方にシェアしてみてくださいね。
参考文献・サイト
堀川修平「日本のセクシユアル・マイノリテイ運動の変遷からみる運動の今目的課題 一 デモとしての「パレード」から祭りとしての「パレード」へ」
新田はるひ「トランスジェンダーのひとの生きづらさ ―ライフヒストリーから考える―」
フェレイロ・ポッセ・ダマソ「初期「ギリシャ研究会」における 性と西洋古典の扱い方について」
堀川修平「 日本のセクシュアル・マイノリティ〈運動〉における 「学習会」活動の役割とその限界 ――南定四郎による〈運動〉の初期の理論に着目して――」
小宮明彦「同性愛嫌悪をめぐる日英(教育)文化比較 ─明示的差別の国イギリスと黙示的差別の国日本─」
人権ライブラリー-「性的指向における自由と平等」
PRIDE PARADEとは | 東京レインボープライド
性的少数者の子育てに「劣る点なし」 国際研究(Forbes JAPAN)
この記事を書いた人
running.freezy ライター